唐突に、SMAPのことを考えた。
SMAPは、国民的アイドルだったというが、僕は「国民的アイドル」というジャンルのグループを好きだったことが、一度もない。国民ではないのだろうか。
妻と下北沢を歩いていた時、突如SMAPのある曲のことが頭に浮かんだ。彼らの代表曲の「ライオンハート」である。有名なナンバーである。私でも歌詞を知っている。その歌詞の一節のことが、いきなり気になりだした。
いつかもし子供が生まれたら
二番目に好きだと話そう君もやがてきっと巡り合う
君のママに出会った 僕のようにね
— SMAP「ライオンハート」
この歌詞は、どうなんだろう?
よく知らないが、ライオンハートは恐らくラブソングであろう。
言いたいことは分かる。
どれくらい相手の女性が好きかを伝えたい、そして、子どもにも、それくらい愛せる相手を見つけてほしいということだろう。
しかし、相手を好きであるという主張をするために、わざわざ子どもを引き合いに出して、序列を付けることでその想いを強調する、という戦術は、どうだろう。
以前は、気にしたことはなかった。しかし、いざ子どもが出来てから考えると、この歌詞に対する違和感は拭い難い。
僕は、妻のことが大好きである。ムスメも大好きだ。そこに一番も二番も考えたことがない。思ったとしても、ムスメにわざわざ「どっちが一番、二番」などと話すことはないだろう。
妻への思いの強さを告白するために、わざわざ子どもの存在を出汁にするのは、どう考えても卑劣だ。この歌詞は、独身男性が、お涙頂戴の名言っぽいことを言おうと思って書いた、嘘の歌詞だと感じざるを得ない。この安い歌詞に感動することが、国民の条件なのだろうか。
妻にもこの話をしたら、こんな言い方で「君が一番」と云われても微妙な心持ちになるだけで、嬉しくはないと言っていた。妻とは感性が合う。
調べてみると、このようなYahoo知恵袋の投稿があった。何ごとも、同じような疑問を持つ人が世の中にはいるものである。
SMAPのらいおんハートの歌詞に「いつかもし子供が生まれたら二番目に好きだと話そう」とあります。
そこで奥様方に質問なのですが、もし旦那さんが子供ではなく奥さんを一番に思ってくれてたとしたら嬉しいですか?いくら自分を一番に思ってくれるとしても子供を一番に思ってくれないなんてちょっと微妙な気もするのですが…。出典:Yahoo知恵袋(2011)
投稿についているアンサーを見ていると、様々な意見はあるが、比較的歌詞に賛同する声は多い。
こんな記事もあった。中々強烈なヘッドラインである。
高橋真麻「クソみたいな歌」 SMAP名曲「らいおんハート」を酷評したワケ
「なんだこのクソみたいな歌は!わざわざ子供に2番目っていう必要ないじゃん!ひどい、なんなのこれ!」
(中略)…
だがそんな高橋さんも大人になり、最近では好きな曲を聞かれると「『らいおんハート』が1番好きです。ああいう男性がタイプなんです」と言うようになってしまったという。
どう感じるかは、人それぞれであるし、恐らくは人生のフェーズによるのだろう。僕も、ムスメがもう少し大きくなれば、また違う感じ方になるのかも知れない。10年後くらいに、このブログを見返すことがあれば、その時また振り返りたいものだ。
とはいえ、妻と子どもへの想いの序列を、歌詞にパッケージングして感動ポルノとして消費させる方法論は、卑劣さを覚えるという点は変わらないような気もしている。
こういった穿った見方は、国民として失格だろうか。
(書いていて、「ライオンハート」ではなく、“らいおん”ハートが正式なタイトルなのだと知った。マジか)


