日々、記事を書いていると、タイトルの付け方にはいつも悩む。
シンプルで簡潔で、洒落が効いていて、謎めいた名称。できれば一覧フォーマットで見た時に、一行で収まってほしい。PV稼ぎに必死な奴らが付けているような、長ったらしくて、扇情的で、クリックさせようと必死な、クソみたいなタイトルは御免だ。
かと言って、抽象的すぎても…格好つけすぎても…伝わらなすぎても…色々考えるうちに、まあ読む側はそこまで気にしてないか、と開き直ったように、その時点で思いついた85点くらいのタイトルを付け、投稿予約をして、逃げるようにPCを閉じる。
大方、適当に書いた記事、適当につけたタイトルのほうが人気があったりするし。作り手の過度な作為というのは、時に無力だ。
僕のA Voundalyはニュースレターとして運営している。ブログとして過去記事もすべて読めるが、コアの体験としては、メールで毎日届いて、メールで読む、というのを中心に考えている。
この体験と前提と記事のタイトルは、独立ではない。ニュースレターであれば、クリックベイト(要は、釣りタイトルをつけること)の必要性が薄い。なので、ブログ全体で見た時の統一感・空気感と、最終的には自分が好きになれるかどうか、を第一にタイトルをつければ良いという方針。
もちろん、メールを開くかどうか、はタイトルの付け方と無縁ではないが、読者とは長期的に読み続けてもらえる関係を築きたいので、朝から釣りタイトルで、メールを無理やり開かせるのは悪手だと思う。
しかし、世の中はクリックベイトに溢れている。気になったので、クリックベイトについて少しだけ調べてみた。
USのメディアのFacebookへの投稿記事を調べた研究1を見ると、エンタメ・ゴシップ系で、クリックベイト率が高いメディアは約80-91%の記事がクリックベイト的なタイトルだったことが確認できる。Washington Postのような主要メディアでも、クリックベイトの比率が約47.84%。
主要メディアの平均では33.5%、ゴシップ・エンタメ等の信頼性の低いメディアでは、見出しの39.3%がクリックベイトとのこと。主要メディアでも記事の1/3程度で、釣りタイトルの比率はゴシップ誌と大きく変わらない。2
また、過去20年間分の英語圏ニュースメディアの見出し約4000万件を調べた研究3によれば、オンラインニュースの見出しは、この20年間で、より長く、クリック率を意識した表現が増加しているという4。タイトルの単語数(英語)は、20年で平均7.5単語→11単語ほどに増えていて、より動詞が使われる傾向が高まっている。
この研究でも、こういったクリックベイト的なタイトルの増加は、メディアの質を問わずに起こっていることがわかる。
参考までに、クリックベイトの類型。確かに、こういうのはよく見る。
本文を読まないとわからない指示語
彼がついに…. / この一つのことを毎朝するだけで…
誇張・センセーション
衝撃 / 驚愕 / まさかの / 信じられない
数字リスト
〇〇な理由7選 / 知っておくべき10のこと
脅迫・警告
これを知らないと損する… / やってはいけない…
二人称呼びかけ
あなたが知らない… / あなたが見るべき…
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こういうクソみたいなワードを使わずにやっていきたいものだ。あと、AIがAIが、とタイトルに書くのも最小限にしたいと思っている。それは、みんないい加減そういうのに疲れているんじゃないかと勝手に予想しているから。
さて、ここまで書いて、いまからタイトルを付ける作業に入らなければならない。
作者の作為は無力だ。
だとしても、僕は、記事にタイトルを与えるこの時間が、きっと好きなのだ。ムスメにだって一生を寄り添う名前を与えられた。記事のタイトルくらい、なんでも無い。
そう思いながら、今日も85点くらいで、逃げるようにPCを閉じるだろう5。
あくまで「メディア自身がFacebookに投稿した記事」というバイアスの下の数値。
Nickl, P., Moussaïd, M., & Lorenz-Spreen, P. (2025). The evolution of online news headlines. Humanities and Social Sciences Communications, 12, 364. https://doi.org/10.1057/s41599-025-04514-7 (CC BY 4.0)
結局、アジアン・カンフー・ジェネレーションのとある歌詞からの引用になった。taitoに言われて最近聴いたからだろう。






