僕は「空間」が好きで、部屋と家具は人生で最もお金を使っているものの一つだと思う。今の家も、築古を業者がリノベ済みで出していたものだが、内装のテイストが好みだったので買った。そして、その上で壁を一つぶち抜いて、リビングを広々空間にするリノベをした。リノベ事例雑誌とかは延々と見てしまう。
以前に、ちきりんが徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のことという本を出していて、面白かった。彼女はマッキンゼー出身1だともっぱらの噂だが、その真否は別としても、著作を読んでいればちきりんが鬼のようにロジカルな人間なのはよく分かる。
先述の「徹底的リノベ」の本も、タイトルを裏切らず、リノベを「マンションの構造」や「目的」から徹底的にロジカルに考え抜かれていて、僕のような人間には刺さる。あーマンションの躯体ってこうなっていて、水が流れるためには床下に勾配が必要だから、間取りの中で水場が設置できる場所は限定されるんだなあ、とか。
ちきりんのような人はビジネスに限らず、何でも徹底的に調べて考え抜くことが出来るんだな、凄いな、と感心する。
ただ、、出来上がった部屋の写真が本の後半に載っているのだが、僕はページを読む手が止まってしまった。
なんだろう。絶妙にダサい。いや、人の好みや価値観にケチを付けるのは良く無い。それはわかる。でも、気持を抑えられない。あれだけ色々と考えて部屋をゼロから理想的に作り変えた結果が、なんでこうなった?
僕は妻に見せて、感想を訊く。「うん、ダサいね。…あれだけアタマのいい人が徹底的に考え抜いて、なんでこうなっちゃったの?」妻は少し笑いながら答えた。どこか意地の悪い顔をしているが、こんな時の妻の顔が好きだ。
…
ロジカルに作ったものが、ワクワクするものになるかは全く別だ。それは、まあそうだろう。でも、リノベと云うとなんとなく、おしゃれでワクワクするものが出来上がるイメージ。ちきりんは生活動線の便利さや、メンテナンスのしやすさなど、ロジックで考えられる部分を中心に設計をしている。だから、おそらくはこれで正解なんだと思う。
世の中この辺りが難しいところで、会社の変革をコンサルティングファームに頼めば、ちきりんの部屋みたいな提案が出てくる。発注企業の社長は首を捻る。「うーん、変革ってもうちょっとワクワク感がないと、社員が付いてこないんじゃないかな?」
社長は納得いかない様子だ。気持ちはわかる。 “住みやすい部屋”と“住みたい部屋”は必ずしも一致しない。会社の社長は、前者だけでなく時には後者にも気を配る必要がある。社員は人間だから。企業運営は「住みやすさ」だけでは足りない。
しかし、そんなことはコンサルに頼んだ際のRFPには書いていない。コンサルのヴァイス・プレジデントは云う。「これが最適な変革のあり方です。我々は、御社の置かれた構造を徹底的に分析しました。極めて合理的なソリューションです。」「うむ…それは分かるんだが…」「プロジェクト・マネジャーに分析結果を詳細に説明させます。ちきりん君、資料を配りなさい」「はい、こちらの資料の112pを、」ドンッ!
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…ここまで書いていて、めっちゃ失礼なことを言っているし、ここから更に何を書いても失礼さの上塗りにしかならない気分がしてきた。人の好みや価値観にケチを付けるのは下劣であり、自分の性格の悪さを露呈するだけだ2。それはわかってる。だからこの話はいったんここまでにしたいと思う。
昨日のレターで、甲本ヒロトの「楽しいことがしたいなら、楽をしちゃダメだと思うよ。楽をしようと思ったら、楽しいことは諦めなきゃダメだね」という格言を紹介した。
この言葉には続きがあって、
生活は楽な方が良いけど、人生は楽しい方がいい。
..
合理的で楽だけど、長期的には楽しくないんじゃないかな?というものを僕が「ちきりんの部屋」と呼んでいるのは内緒である3。ああ、最低。いや、ほんとに人の好みや価値観を揶揄するのは良くないですよ。
なお、誤解の無いように書いておくと、僕はちきりんが好きです。もはや何を書いてもフォローにならないかも知れないけど、本当に好きです。
マッキンゼー出身の伊賀泰代さんという方がちきりんの中の人だという説。
でもそういうブラックユーモアが好きな自分もいて、性格の悪さは自認している。
「中国人の部屋」とか、フロイトの「無意識の部屋」的な感じでかっこよくないですか。あと、ちきりんさんにはちきりんさんの好みがあって、普通にご自身の部屋を気に入っておられると思います。外野が勝手にすみません、本当に。




ちきりんさんのその本、すでに我が家が持ち家に引っ越した後に出たので、興味はあったけれど買いませんでした。
確かちきりんさんはお家での過ごし方が基本決まっていて、その時間をより快適にするという点に力を注いでいたのではなかったでしょうか。
我が家は転勤族で、引っ越す前提であり使い易くするために収納にカラーボックスを多用し(過ぎて🤣)たんですけども。見た目重視の旦那さんにはダメ出しをされ続けました😑使いやすいのにぃ。
今の家にはカラーボックス一つもありません😂もう引っ越さないし。
何を重視するか。本当に人それぞれですよね。
ちょっと前の記事に言及され貼付されていた動画の、ローランドさんのお家を思い出しました。
ちきりんさんの本、改めて気になる。買ってみようかな…。