芸は身を助ける。
僕の場合は、資料を創ることで助けられることが多い。
先日、政府の委員会の思い出について書いていたら、別の委員会の思い出がふと脳裏に浮かんだ。せっかくなので、そちらについても書いておくことにする。
デジタル庁に入り、僕にとっては初めての対外的な公表物となる、マイナンバーカードのダッシュボードを、2022年の12月にリリースした。これを皮切りに、マイナ関連政策の全てのKPIを同様に見れるようにするつもりだった。
しかし、それがそう簡単ではないことを、学んでいた。行政の世界では「やりたい・やった方が良い」では物事は動かない。大きなことを動かすには、きちんとした根拠が必要なのだ。ファースト・リリースでは、そこを理解せずに進めたがゆえに、必要以上の辛苦を舐めることになった。
そんな中、取りも敢えず、マイナンバーカードの普及についての自分の考えを構造にし、資料にしていた。
有難いことに、これに目を付けた身近な官僚から、ある委員会での提言資料に纏めることを、提案される。
またも、無駄に資料を作っていたことに助けられた形だ。
こういう事に関して僕は、基本的に運が良い。
2023年の3月に、こちらの資料を委員会にて提言してもらい、2023年の6月にマイナンバーカードについて、普及状況だけでなく、利活用状況が分かるよう、バージョンアップを行った。
とはいえ、その時点では、やりたかった事からすると、極めて小さいスコープしか実現できなかった。それから3年経った2026年に、委員会で提示した内容のそれなりの部分が実現できた(国のダッシュボードつくりませんか、でも触れたとおりだ)。
資料の全体はこちらである。
マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ
恐らく、見てみれば、なんてことはない資料である。しかし、これを作るだけで想像を絶する時間と調整を要した。ムスメの出産日の、前日の21時半にも、僕は本件に関わる課長級と、口論をしていたのを覚えている(明日は出産だからもう帰る、と言うと、課長は励ましの言葉をくれた)。
自分の考えで資料を作るのは勝手だが、それを政府の見解として発するための正式資料に仕立てるまでには、相当な距離があるのだ。
3年の季節を超えたが、あの時になんとなく作った資料は、無駄にはならなかった。そして、その後の調整も無駄にはならなかった。
自分の、資料作成への偏愛は、いつだって僕を助けてくれる。
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