エモいことを書きたい自分と、固いことを書きたい自分がいる。
エモいとは、例えばその小さな自然とかばーか。とか。参考書よりも、漫画本よりものような記事のイメージで、まあひとから見たらエモくもなんともないかも知れないが、僕の中では比較的個人の想いが乗ってるタイプの記事。
固いとは、配当で暮らせた時代とか緩やかな出口戦略が必要じゃないかみたいな、冷静な、社会分析的で淡々とした記事。
どっちも自分らしいとは思っていて、どっちも放っておくとアタマの中を流れて消えていってしまうので、それを残したい、留めておきたいという気持ちで文章に書いている。でもこの両者は、それぞれが違った種類のコストが掛かっていて、前者は言い回しや言葉選びと云った語感や、話の展開に拘りたくなる。自身の中で作品として捉えているから、執筆自体に時間とエネルギーが掛かる。後者は逆で、事前のリサーチや書いた後の事実誤認のチェックに手間を要する。
だから、どっちも書いてて楽しいけどどっちも大変で。
しかも大変さの種類が違う。
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どちらを書きたいかは時期によって入れ替わる。6月はエモめの記事を結構書いた。7月は固めの記事が少し増えていた。このような傾向の変遷は、月報を書いていてハッキリと気付く。振り返りは大事だ。
ちょっと最近はエモ成分が足りないのかな、と思って今日は音楽を聴くことにした。最近は音楽を聴くことがめっきり減っている。
エモくなりたい時に聴く音楽は、いくつかストックがある。その幾つかを、晴れた夏の日差しの中で聴いていたら、見事に刺さる。音楽の良さというのは普遍だ。無意識に今日はちょっと夏っぽい楽曲を選んでいたかも知れない。
あの日の僕のレコードプレーヤーは
少しだけ威張ってこう言ったんだいつでもどんなときでもスイッチを入れろよ
そん時は必ずお前 十四才にしてやるぜ―― 十四才(The High-Lows)
自分が音楽が好きだと思う。Web業界には、良いサービスを見た時に「こんなWebサービスを自分で作ってみたい」という人が一定数いる。僕はそう思ったことはない。でも音楽に関しては「こんな音楽を作れる人生だったらどんなだっただろう」と思うことはよくある。
どんな強い思想を持っていたとしても、多くの人に自分の話を聴いてもらうというのは大変だ。人はそんなに他人に興味がないから。自分の想いを世界に運び、影響を齎すには何らかの思想の乗り物が必要だ。それがプロダクトだったり、本だったり、現代アートだったりするのだろうが、音楽というのは一番程良いと思う。なんだろう、「圧縮されすぎてない、でも凝縮されてる」のが良いんだと思う。
はみ出した憂鬱も 白けた退屈も
付き合ってくしかないんだろ 死んでくまで――はぐれ者賛歌(フラワーカンパニーズ)
人は、自分に役立つもの・都合のいいものしか受け取ろうとしない。
サービスだって本だって、自分の人生に役立つ部分だけを切り取って利用し、そうでない部分にまで付き合う気はないだろう。その背後の思想に興味なんてない。音楽でも同じことは起きるとは思う。でも音楽には、4−5分間というそれなりに豊かな情報のパッケージをまるっとそのまま受け取らせるチカラがあるように思う…
その意味では本当はアルバムとか、カセットテープだった時代はもっとよかった。一番好きな曲を聴くために、その前の曲も全部聴く。いつの間にか他の曲も好きになっている。
矢のように月日は過ぎて 僕が息絶えた時
渡り鳥のように なに食わぬ顔で飛び続けるのかいハローもグッバイもサンキューも言わなくなって
――ワンダーフォーゲル(くるり)
それはそうと今日、夏の空の下で聴いていた楽曲は、どれもマジで青くせーんですけど、むしろおとなになってからの方が響くなあ、ってやつばっかりだった。我ながら良い選曲をしている。
いつまでも好きだな、日本語のロックは。
夏休みが終わったみたいな 顔した僕をただただ君は見てた
人影もなく 憧れもなく そっと過ぎゆく季節はしゃがないで見守ってた あの人に驚きと感謝込めて
見てただけだった そう全部――感謝(驚)(フィッシュマンズ)
あ、夏といえばベタに「Over Drive」もいいな。Judy and Maryは自分にとっての音楽の原点だったりする。帰りに聴こう。
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「一番好きな曲を聴くために、その前の曲も全部聴く。いつの間にか他の曲も好きになっている」は、たしかに昔、よくありましたね。全然ヒットしなかったのに、その他のほうだった曲のほうをより好きになっていたり。そのマイナーに終わった曲を「好き」という人に偶然出会って、なんだか嬉しくなったり。エモ記事もいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=e6k0KeR_wN8
エモい記事。読んだ後にこれ爆音で聴きながら最近サボってるSubStuckのネタを書き出しました。